企業情報研究部門

企業情報研究部門について

公的に発行されたあるいは歴史的に残された企業(会計)資料・史料あるいはその電子化されたデータベースを用いて、企業の現代的・歴史的行動パターンを、(会計)情報をキーにして明らかにします。現代の企業行動分析としては研究所が保有する多様なデジタル会計データベースや企業会計資料を活用して、またファイナンス理論を援用しながら、企業の証券市場における行動について実証的・実験的分析を行います。歴史分析としては、企業資料総合センターの保有する資料の8割を占める企業会計史料を活用して、企業分けても日本企業の経営行動を幅広い時間的パースペクティブの中で分析します。

企業情報研究部門


研究分野

会計情報分析

財務会計情報の機能を、(1)株式市場と(2)企業が締結する契約という2つの観点から実証的に解明します。
(1)では、財務会計情報と株価や出来高といった市場変数との関連性を分析することによって、財務報告に対する株価形成のプロセスや投資家行動のメカニズムを明らかにします。
また(2)では、契約で利用される会計情報の役割を考察することによって、株式投資意思決定とは異なる、利害調整を目的とした会計情報の役割を解明します。

企業史料分析

所蔵経営原資料の目録整備と並行して、有価証券報告書・社史を中心とするセンター所蔵資料とのデータ連係をはかり、広く学界に研究素材として提供できる準備を進めます。 兼松資料・鐘紡資料・内外綿資料を用いた戦前期企業に関する諸分野の分析のほか、資料の修復整理および複製を継続して進めます。

コーポレートファイナンス

企業価値やそれを高める企業行動、また企業が発行する証券の価格付けに関する課題を実証的に解明します。特に、現代の企業行動のパズルを歴史的データを用いて解明します。その他、企業(経営者)や投資家のバイアスが企業行動や資産価格に与える影響を明らかにします。

情報ディスクロージャー

現代社会における巨大組織が、一般大衆を主体化する手段として形成・運用する情報公開制度の分析を行います。分析対象となる巨大組織としては企業と政府、分析対象となる情報には、会計・図像・文字情報が含まれます。分析手段としては言説分析・(脳)実験等が援用されます。また、GPSを利用した位置情報の利用など、時代の先端を行くデバイスを用いることで、個々の消費者レベルでの、行動を明らかにする、といった研究も行っています。


研究者一覧

職位 研究者 研究分野 主な研究課題 個人ページ
教授 榎本 正博 会計情報分析 会計基準の導入と利益マネジメントに関する実証分析  
准教授 藤村 聡 企業史料分析 商社資料による環太平洋地域貿易の史的分析  
准教授 髙橋 秀徳 コーポレートファイナンス コーポレートファイナンスとアセットプライシングの実証分析  
准教授 藤山 敬史 会計情報分析 国内外の企業による利益マネジメントに関する実証分析  
特命講師 小代 薫 企業史料分析 建築・都市史、建築都市環境性能の評価及びマネジメント  
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