第30回 神戸経済経営フォーラム
第30回 神戸経済経営フォーラムThe 30th Kobe Forum in Business and Economics
神戸空港の国際化と三宮再開発から考える神戸の再生戦略
総括コメント
神戸経済経営フォーラムは,毎年1回神戸商工会議所と共催で,本研究所員の研究分野に関連する諸問題をテーマに,地域の経済人経営者等を対象とした学術講演会を開催しております。本フォーラムは研究成果の一部を社会に還元することを目的としており,1957年(昭和32年)から継続的に行われています。
今年度は2026年2月26日に実施されました。ここ数年とは異なり,参加方法として神戸商工会議所での対面形式を採用し,およそ45名の参加がありました。
当日は神戸商工会議所の石上賢一郎さんの司会進行により,本研究所の西谷公孝所長の挨拶から開会しました。続いて,本研究所の松尾美和教授が「神戸空港の国際化と三宮再開発から考える神戸の再生戦略」というタイトルで講演を行いました。
松尾教授は,2025年4月に国際化を果たした神戸空港を活用し神戸がさらなる発展を遂げるためには,明確な都市ビジョンのもとで戦略的な取り組みを進める必要があると指摘しました。具体的には,来訪を促進する観光ターゲット層を明確にするとともに,ビジネス・学術拠点として大阪との差別化を図ることが重要であると述べました。講演ではまず,近年の近畿圏において人口や経済活動が大阪に一極集中する傾向が強まっている現状を共有し、神戸市の活性化に向けた新たな施策の必要性を提示しました。その上で,空港ネットワークの接続性の高さが観光客の来訪促進や企業立地の促進につながることを示しました。また,関西地域では関西国際空港や大阪国際空港の発着容量の拡大余地が限られている一方,大都市に近接する神戸空港は高い潜在力を有していると指摘しました。さらに,神戸空港の国際化以降、空港利用者数や外国人宿泊者数が増加していることに触れ,これまで空港アクセスの制約が来訪者増加のボトルネックとなっていた可能性を示しました。そのうえで、今後は神戸空港から神戸市街地や新神戸駅への輸送力の強化,宿泊施設の質と量の充実,神戸を起点とした観光目的地の発掘,そして市内における観光客の回遊性向上といった課題に対し,神戸市の現在の取り組みを紹介しつつ,今後はより明確なビジョンをもって先行投資を進める必要があると強調しました。
聴衆の方々は終始熱心に講演に聞き入り,活発な質疑応答があり,本フォーラムは成功裡に終了しました。
第30回「神戸空港の国際化と三宮再開発から考える神戸の再生戦略」
神戸大学経済経営研究所/神戸商工会議所主催
- 講演
- 神戸空港の国際化と三宮再開発から考える神戸の再生戦略
- 講師
- 松尾 美和(神戸大学経済経営研究所)
- 会場
- 神戸商工会議所3F役員会議室
