第26回　神戸経済経営フォーラム

第26回　神戸経済経営フォーラムThe 26th Kobe Forum in Business and Economics

企業のDX改革

総括コメント

　神戸経済経営フォーラムは，毎年1回神戸商工会議所と共催で，本研究所員の研究分野に関連する諸問題をテーマに，地域の経済人経営者等を対象とした学術講演会を開催しております。本フォーラムは研究成果の一部を社会に還元することを目的としており，1957年（昭和32年）から継続的に行われています。

　今年度は2022年3月11日に実施されました。新型コロナウイルス感染症対策のため，参加方法には会場とオンラインのどちらかを選択するハイブリッド形式を採用したところ，オンラインの方には百名を超える申し込みがありました。当日は神戸商工会議所の大岩咲さんの司会進行により，本研究所の家森信善所長の挨拶から開会しました。続いて，本研究所の伊藤宗彦教授が「企業のDX改革－エコシステムドライバーを目指して」というタイトルで講演を行いました。

　伊藤教授は，現代において多くの企業が競争力強化と将来の成長のためにデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変する「DX（デジタルトランスフォーメーション）改革」の概念を説明し「そのような改革を望んでも，いかにこれを実行するか」が課題となっていると問題を提起しました。それに対する回答として，伊藤教授は実際DX改革に成功した企業の事例を挙げ，AIや量子コンピューターという「技術の実用化」とIT技術者という「人材の育成」の両方が鍵を握っていることを強調しました。伊藤教授自身の講演もプレゼンテーション用のスライドの写真をクリックすると5分間の動画になるというデジタル技術を駆使したものでした。

　聴衆の方々からの質問は，オンライン参加者からは講演中に随時，会場参加者からは講演後に直接受け付けるというハイブリッド形式が取られました。講演の最後に，寄せられたすべての質問に伊藤教授が回答し講演を総括するという形で，フォーラムは成功裡に終了しました。