RIEB Discussion Paper Series No.2026-J04

RIEB Discussion Paper Series No.2026-J04

タイトル

リフレ政策を検討する(1)―円安・インフレについて―

要旨

リフレ政策には、景気回復のためにはインフレが必要、また円安が望ましいとの認識がある。本稿では、この2点を批判的に検討していく。まず円安が望ましいとの認識については、①長期的に見れば日本経済にとっては円高が自然の流れであったこと、②長期に継続した超金融緩和は円高を反転させたが、円相場を「割安」なレベルまで至らせていること、③最近の円安は経済力の低下を映じた面があり、今後とも円安が望ましいとすることは経済力の低下を追認することになるのではないかと論じている。また最近の円安については、④中央銀行の独立性への阻害も要因ではないかと指摘する。中央銀行の独立性への阻害は政策効果を減退させる。次に本稿では、インフレが必要との認識についても、①デフレの原因を家計の節約行動に求めたのは誤り、②生産性上昇の意味、③インフレではなく成長を優先すべきであったこと、④インフレの影響は各階層で平等ではなく、弱者に与える影響が軽視されたのではないかなどを論じている。またインフレ率が2%に到達した途端に「物価高対策」を打ち出したことは、2%目標がわが国に適切なのか疑問を生じさせると指摘している。

キーワード

購買力平価; 実質為替レート; フィリップス曲線

分類コード

E31, E52, F31

連絡先

神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー
高橋 亘
E-mail: wtaka.oue@gmail.com
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