RIEB Discussion Paper Series No.2025-J07
RIEB Discussion Paper Series No.2025-J07
タイトル
社外取締役の在任期間について― 国際比較と日本の制度的対応 ―
要旨
本稿は、社外取締役の独立性判断における在任期間の意義と上限設定をめぐる国内外の動向を整理し、その背景と課題を明らかにする。英国やドイツ、フランスでは9~12年を上限とする基準が定着しており、韓国でも法定上限が導入されている。一方、日本では法令上の明示規定はなく、機関投資家や議決権行使助言会社が自主的に「12年ルール」等を運用しているのが実情である。政府指針やガイドラインは一律の上限設定に否定的であり、就任期間の長短に伴う利点と弊害を個別に評価すべきとする。学術研究では、在任期間が短すぎると知見不足により監督効果が弱まり、長期化すると独立性の低下を招くとされ、最適期間は企業特性によって異なるとされる。以上を踏まえ、形式的な年限規制よりも、交代計画や委員会構成、多様性確保などを組み合わせた柔軟な制度設計が妥当であると結論づける。
連絡先
神戸大学経済経営研究所家森 信善
E-mail: yamori@rieb.kobe-u.ac.jp
