RIEB Discussion Paper Series No.2023-J01

RIEB Discussion Paper Series No.2023-J01

タイトル

「高齢者の認知機能と金融行動に関する調査」結果の概要

要旨

 ファイナンシャルプラニング論は、急激に研究が進展している家計金融論の重要な柱の一つである。従来、若中年家計がいかに資産を蓄積・運用するかが議論され、高齢家計の金融行動に焦点を当てた議論は乏しかったが、金融資産の取り崩し方法や判断能力が衰える中での金融助言者の活用など、高齢者特有の金融問題が顕著になってきており、新しい研究が必要になっている。我々は、科学研究費挑戦的研究の助成を得て、人生100年時代を迎えた日本において高齢者が安心して暮らせるためにどのような金融リテラシーが必要か(助言者の適切な利用を含む)を明らかにして、高齢者のためのファイナンシャルプランニング論の構築を目指している。
 高齢者に必要なFPや金融業・助言業について検討し、その実現のための金融商品や金融機関のビジネスモデルを提言するために、金融資産の取り崩しや活用の方法に影響を与える金融リテラシーや、そうした行動において必要とされる金融助言者の役割に関してのアンケート調査を実施した。本稿は、当該アンケート調査の結果の概要を報告することを目的にしている。

連絡先

神戸大学経済経営研究所
家森 信善
E-mail: yamori@rieb.kobe-u.ac.jp

名古屋学院大学経済学部
上山 仁恵
日本語