RIEB Discussion Paper Series No.2022-J08

RIEB Discussion Paper Series No.2022-J08

タイトル

清酒酒蔵における原価計算・管理会計実務:新潟の酒蔵に関する複数事例研究

要旨

 本研究では、清酒酒蔵がどのように原価情報を収集し、活用しているのかについて検討する。原価計算については機械設備の減価償却および労務費について、原価情報の活用については製品の価格決定および廃止について主に検討する。検討にあたっては新潟県内の清酒酒蔵3蔵にインタビューを行った。機械設備の減価償却については数量按分が行われており、人件費についてはそれぞれの蔵の実態や状況に合わせて様々な方法が用いられていた。また、既存製品の廃止や製品の価格決定においても原価情報が用いられていることが確認されたが、蔵の状況によっては原価情報ないしは利益情報よりも売上高やその推移といった原価情報以外の情報が用いられることも確認された。3つの酒蔵の比較からは、どのような情報をどのように収集するかは蔵の状況が大きな影響を与えることが示唆される。

キーワード

清酒、原価計算、価格決定、減価償却、労務費

連絡先

〒657-8501
神戸市灘区六甲台町2-1
神戸大学経済経営研究所
藤山 敬史
TEL: 078-803-7036 FAX: 078-803-7059

京都大学大学院経済学研究科
セルメス鈴木 寛之
日本語