RIEB Discussion Paper Series No.2022-J03

RIEB Discussion Paper Series No.2022-J03

タイトル

国際通貨としてのアジアデジタル共通通貨

要旨

 わが国経済の国際的な地位の低下から発言力の低下が指摘されるなかで、国際金融界での貢献を果たし、地位向上をもたらすPlanとActionが求められている。東京都の国際金融都市構想などはその一例であろう。本稿では、その一環としてアジアの金融市場の育成を目指す「アジアデジタル共通通貨(ADCC)」をあらためて提案している。我々の提案は、共通通貨としての経済的なメリットとともに、国際的な公共財である国際通貨を国際的に管理するという理想を提案するものである。また金融統合というと通貨統合に目が行きがちだが、決済システムなどの金融インフラの整備・統合が重要であり、我々の提案は決済システムのリンクに加え、アジアデジタル共通通貨建ての債券の発行などにより金融インフラ面の統合にも貢献することにも力点をおいている。

キーワード

デジタル通貨; 共通通貨; 国際公共財としての国際通貨; デジタル通貨の通貨主権; 金融政策の独立性

分類コード

E42, F33, F36

連絡先

大阪経済大学経済学部
神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー
高橋 亘
E-mail: wtaka@osaka-ue.ac.jp

国際協力機構専門家
アジア開発銀行コンサルタント
乾 泰司
日本語