RIEB Discussion Paper Series No.2021-J13

RIEB Discussion Paper Series No.2021-J13

タイトル

コロナ禍の高齢者の金融行動への影響と金融リテラシー-2019年調査と2021年調査の比較-

要旨

 2020年のコロナ感染症の拡大は、家計の金融行動にも大きな影響を与えた。実際、日本銀行の資金循環勘定によると、家計の金融資産残高は、2020年3月末の1,817兆円から2021年3月末には1,968兆円へと151兆円も増加している。特に株式残高が増加しているが、それは価格の上昇による効果が大きかった。コロナ禍がもたらした未曾有の大きな変化の中で、日本の高齢者家計の金融行動の実態を知るために、われわれは2021年8月にアンケート調査を実施し、787人の回答を得た。今回の調査の特徴は、(コロナ禍前の)2019年に実施した同種の調査の回答者1,000人を対象にしたことで、コロナ禍前後での変化を捉えることができること、および、危機時の金融行動と金融リテラシーの関係を分析できることである。本稿では、調査の回答結果を速報的に報告することを目的としている。前半部分では全サンプルの回答結果を紹介し、後半部分では2019年調査との対比をすることの許可が得られた609人について、2019年と2021年調査の結果を比較している。

連絡先

〒657-8501
神戸市灘区六甲台町2-1
神戸大学経済経営研究所
家森 信善
TEL: 078-803-7036 FAX: 078-803-7059

名古屋学院大学経済学部
上山 仁恵

日本語