RIEB Discussion Paper Series No.2021-J07

RIEB Discussion Paper Series No.2021-J07

タイトル

日本の電力小売全面自由化後の家計の電力会社及び料金プラン切り替え要因分析

要旨

 本研究では、みなし小売電気事業者の経過措置料金からそれ以外の料金プランへの変更(内部切り替え)と電力会社の切り替え(外部切り替え)の検討・決定要因及び電力自由化に関する知識が不十分な消費者に対する、リスクの影響について分析する。その結果、切り替え検討・決定には料金節約額、経済的スイッチングコスト(Switching Cost: SC)、手続き的 SC が、さらに外部切り替えには停電に関する技術的信頼や自然エネルギーへの態度も有意な影響を及ぼしていた。これらは SC や消費者の自由化への理解不足によってみなし小売電気事業者が優位な状況にある一方で、新電力にとって価格以外の差別化の手段として、自然エネルギー由来の電力が有効であることを示している。

キーワード

電力小売全面自由化; 内部切り替え; 外部切り替え; スイッチングコスト; リスク

連絡先

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構評価部金融資産課
荒谷 優太

神戸大学経済経営研究所
瀋 俊毅
E-mail: shen@rieb.kobe-u.ac.jp
日本語