RIEB Discussion Paper Series No.2021-J06

RIEB Discussion Paper Series No.2021-J06

タイトル

地域金融機関の取り組みは地域の創業を増やせるのか-金融機関による創業支援に対する企業の意識調査-

要旨

 創業企業を増やすことは地方創生において重要な課題となっており、政府は開業率10%の早期の実現を目指している。創業を増やすための支援者として地域金融機関に対する期待が高いことから、われわれは、2020年12月に、企業側からみた金融機関の創業支援の活発度を評価するために企業アンケート調査を実施した。都道府県別の特徴をみるために全都道府県について一定の回答者数を集めている点に、われわれの調査の特徴がある。本稿は、その回答結果の概要を紹介するものである。地元の金融機関の創業支援に対する体制について「非常に高い」(1.3%)や「やや高い」(8.7%)と評価するものは1割程度にとどまり、逆に否定的な評価をするものが2割あった。都道府県でみると、評価に大きな違いがあり、たとえば、創業支援に対する意欲、能力、および体制の3つの面で評価が低かったのは千葉県、岐阜県、和歌山県であり、逆に評価が高かったのは静岡県、山口県、徳島県であった。今後、こうした評価がそれぞれの県内金融機関の行動とどのような関連があるのかなどを分析する予定である。

連絡先

神戸大学経済経営研究所
家森 信善
E-mail: yamori@rieb.kobe-u.ac.jp

長野県立大学グローバルマネジメント学部
永田 邦和

愛知学院大学経済学部
近藤 万峰

愛知産業大学経営学部
奥田 真之
日本語