RIEB Discussion Paper Series No.2021-J05

RIEB Discussion Paper Series No.2021-J05

タイトル

センサー企業オプテックス社のIoTビジネス

要旨

 オプテックスは、グローバルニッチ市場において地域、技術分野を集中することにより高いシェアを獲得してきた。その間、センサーにかかわる技術を有する海外の企業のM&Aを実施することにより成長を遂げてきた。比較的製品のライフサイクルが長いというセンサーの特徴を生かし、斬新的な技術改良、データ通信のインフラの革新などにより、IoT、ソリューションビジネスなどサービスの機会が生まれ、この分野で新たな価値を生み続けることができるビジネスモデルを確立してきた。また、新規事業分野も、自動ドア、防犯、といった範囲にとどめ、多角化し過ぎることなく、IoTやSaaS、ソリューションビジネスといった川下への垂直統合度を高めることにより新たなビジネスモデルを構築してきた。
 多くの日本企業が国内で成功してから海外展開するのに対し、同社は自国からというのではなく、自社の製品や技術の需要が高い地域で事業展開することで、「市場の課題を解決する良いセンサーをつくれば売れる」という方針でビジネス展開してきた。こうした徹底的な現場力により、屋外防犯センサーで世界シェア約40%、自動ドアセンサーで世界シェア約30%を誇る企業へと成長した。本ビジネスケースでは、オプテックスの行うソリューションビジネスが、いかに同社の成長につながったのかを明らかにする。

連絡先

〒657-8501
神戸市灘区六甲台町2-1
神戸大学経済経営研究所
伊藤 宗彦
TEL: 078-803-7036 FAX: 078-803-7059

大阪学院大学短期大学部
香坂 千佳子
日本語