RIEB Discussion Paper Series No.2020-J15

RIEB Discussion Paper Series No.2020-J15

タイトル

アジアデジタル共通通貨の発行方法・手順および検討課題について

要旨

 本稿では、前稿(乾・高橋・石田(2020))に続き、東アジア各国/エコノミーの中央銀行が国際機関(例えばAMRO)により発行されたアジア共通通貨(ACU)建て債券を資産に発行するアジアデジタル共通通貨(Asia Digital Common Currency<ADCCまたはAMROコイン>)について、その発行方法・手順をいくつかの具体例を示しながら論じている。また、共通通貨のバスケット・ウエイト、匿名性、AML/CFTへの対応など実務的に関心の高い検討問題についても現時点での筆者の考え方を紹介している。現在、世界の中央銀行等でデジタル通貨の開発などの動きが自国通貨を対象に高まっている。しかし、経済のボーダレス化の進展を踏まえれば、経済の動きに応じたボーダレスな通貨(デジタル共通通貨)への関心が高まってもいいはずである。また、デジタル技術の発展により、ボーダレスな通貨をデジタルに発行し流通させることは容易になっている。本稿は、そうした動きに向けての提案である。

キーワード

デジタル通貨; アジア共通通貨; 匿名性; 口座型; AML/CFT

分類コード

E42, F33, F36

連絡先

国際協力機構専門家
アジア開発銀行コンサルタント
乾 泰司

大阪経済大学経済学部
神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー
高橋 亘
E-mail: wtaka@osaka-ue.ac.jp

伊藤忠商事理事
石田 護
日本語