RIEB Discussion Paper Series No.2020-J10

RIEB Discussion Paper Series No.2020-J10

タイトル

2019年実施の若年および中堅の金融機関職員の意識調査の結果概要 -性別および年代別の特徴を中心に-

要旨

 我々は地域金融機関の支店長や職員に対して継続的に調査を行ってきた。このうち、一般職員については、2014年12月に「2014年・金融機関職員アンケート」(回答者:20歳~69歳の400人)を実施し、さらに、2017年1月に「2017年・若年および中堅の金融機関職員の意識調査」(回答者:20~50代の若手・中堅の金融機関職員1034人)を実施した。そのフローアップのために、2019年12月に20~40代の若手・中堅の金融機関職員(支店長やそれ以上の上位の職位者を除く)1000人(男性655人、女性345人)を回答者とする意識調査を行った。本稿は、その回答を回答者の性別および年齢の観点で整理した結果を紹介することを目的にしている。
 現在の仕事へのやりがいについて尋ねたところ、男性のほうが仕事にやりがいを感じている傾向がみられ、年代別に比較すると若年層ほどやりがいが感じていない。また、2017年調査と比較すると、仕事に対してやりがいを感じにくい状況になっている。入社当時と比較して、仕事に対するやりがいがどのように変化したかを尋ねてみたところ、男性のほうが、やりがいを感じる方向に変化したと回答する傾向が強い。また、年代別で比較すると、若年層ほど、やりがいを感じない方向に変化したとの回答が多かった。顧客から感謝された経験の有無について尋ねてみたところ、「何度もある」が40.8%であったが、女性や20代で低くかった。2017年調査と比較すると、顧客から感謝された経験が「何度もある」と答えた回答者の割合が高くなっている。企業再生や経営支援に関して、上司による指導や評価が適切に行われているかどうかを尋ねてみたところ、指導よりも評価において問題を感じている回答者が多かったが、2017年調査と比較すると、適切であるとの回答が増加していた。

キーワード

事業性評価; 金融機関職員; 意識調査; 企業支援; やりがい

連絡先

神戸大学経済経営研究所
家森 信善
E-mail: yamori@rieb.kobe-u.ac.jp

熊本学園大学経済学部
神戸大学経済経営研究所
米田 耕士
日本語