RIEB Discussion Paper Series No.2019-J05

RIEB Discussion Paper Series No.2019-J05

タイトル

鐘淵紡績における工場経営-1904年から1913年までの鐘紡資料をもとに-

要旨

 鐘淵紡績株式会社は1887年に東京綿商社として設立された企業であり、武藤山治による積極的な吸収合併によって急成長をとげ、大阪紡績会社、大日本紡績と並び日本を代表する紡績会社となった。同社の社史資料室が所蔵していた内部資料は、現在では神戸大学経済経営研究所附属企業資料総合センターに保管されている(鐘紡資料)。この資料には鐘淵紡績の非公開情報(当時)が大量に含まれており、企業が意思決定を行う上で収集・参照した情報と、そのプロセスを分析することができる貴重な原資料である。それに加えて、三大紡績の一角を占めた鐘淵紡績の規模、紡績業の日本経済発展に対する影響の大きさを鑑みれば、この資料がもつ価値は極めて高いと考えられる。しかしながら、その多くが手書き文書であることから、資料自体がもつポテンシャルに比べて、実際の活用が十分に進んできたとは必ずしも言い切れない。現在、この手書き資料のデジタル・アーカイブ化が進められているため、これを活用して得られた発見的な事実を報告する。

連絡先

〒657-8501
神戸市灘区六甲台町2-1
神戸大学経済経営研究所
伊藤 宗彦
松本 陽一
TEL: 078-803-7036 FAX: 078-803-7059
日本語