経済経営研究所 創立100周年記念事業
神戸大学経済経営研究所は、令和元(2019)年10月に創立100周年を迎えました。
経済経営研究所の100年の歩みと役割、100周年記念事業について紹介いたします。
経済経営研究所の歩みと役割
神戸大学経済経営研究所は、国内および海外の商業・経済に関する実証的・総合的研究を目的として、大正 8(1919)年 10 月、神戸高等商業学校・商業研究所として創設されました。
爾来、経済経営に関する資料と重要統計の整備、研究成果の出版、各種講演会・セミナーの開催を継続的に行ってきたほか、第二次世界大戦前に端を発する、当時最新鋭の電動計算機を用いた経営機械化研究や、海外移民や資源貿易を通じて神戸とゆかりのある南米や豪州の研究といった、我が国では他に類を見ない研究も行ってきました。また、神戸大学の経済経営分野における国際研究交流と大学院教育にも積極的に役割を果たしてまいりました。
今日、経済経営研究所は、神戸大学唯一の附置研究所であり、我が国の社会科学系の国立大学附置研究所では最も長い歴史と伝統を誇っています。
さらに、我が国において経済学・経営学の両分野を掲げている唯一の国立大学附置研究所として、我が国の経済経営分野における研究の中核としての機能を果たしています。
今般、経済経営研究所が令和元(2019)年10月に創立100周年を迎えるにあたって記念事業を実施することは、これまでに蓄積してきた実績を次世代に継承し、さらに、特色を生かして展開するこれからの新しい取り組みについて、研究者コミュニティ、産業界、市民社会と意見交換を行ってアイデアを発展させる機会を広く持とうとするものです。
100周年記念事業/主要事業
1. 手書き資料を研究利用しやすいデータベース化するための、最先端の画像処理・認識技術を応用した技術と検索エンジンの開発
神戸大学関連資料
- 神戸高等商業学校の人材育成が当時の社会に与えた影響を知る重要資料である、水島銕也校長の書簡(明治 35 年11月から大正13 年9月まで計6冊、全1342頁)、および校長が卒業生に発給した推薦書(明治44年1月から大正 7年6 月まで計6冊、全2802頁)。
- 神戸経済大学時代に経営機械化研究を開始し画期的な文理融合を進めた経緯を知る貴重資料である、平井泰太郎経営機械化研究所長と宮田喜代蔵経済経営研究所長の往復書簡。
- 製造業や流通業の綿密な実地調査を重視した神戸高等商業学校の教育方針により作成され、貴重な資料的価値を持つ卒業論文(明治 40年3月から昭和7年3 月卒業分までの約4500冊)。
長寿企業データベース
- 100 年以上もしくは 100 年に迫る歴史を誇る企業が所蔵する資料に脚光を当て、世界的にも稀有な日本の長寿企業の価値を再評価。
- 兼松資料(明治22年~平成12 年)、鐘紡資料(明治 19 年~平成 2 年)等の経済経営研究所所蔵の企業資料から順次データベース化。