RIEBセミナー

RIEBセミナー
(日本南アジア学会第36回全国大会実行委員会 共催)

2023年07月08日(土) 15:00 - 17:00

RIEBセミナー

日本南アジア学会第36回全国大会実行委員会 共催

日時 2023年07月08日(土) 15:00 - 17:00
会場 経済経営研究所 会議室(新館2階)
対象 教員,院生,および同等の知識をお持ちの方
定員 先着 35名
使用言語 日本語
参加登録 ※事前登録制です。下記より参加登録をお願い致します。
参加登録 締切:7/4
15:00 - 17:00
論題
映画制作の過程で見えないものを見る: 東京で暮らすインド人移民女性たち
報告者
メイガ ワダワ(ベルリン自由大学東アジア・日本研究所/上智大学比較文化研究所)
概要
 当セミナーの報告者である映像作家Dr.Megha Wadhwaは,ドイツ・ベルリン自由大学の研究員,上智大学客員研究員である。セミナーではDr. Wadhwaが制作をおこなった1時間のドキュメンタリー映画「Finding their niche: Unheard stories of migrant women」(英語・日本語の字幕あり)を上映する。この映画は,Dr. Wadhwaの博士論文の一章に影響をうけたもので,Dr. Wadhwaの著書『東京のインド人移民(原題:Indian Migrants in Tokyo: A Study of Socio-Cultural, Religious, and Working Worlds)』(Routledge 2020年)に翻案されたものである。当セミナーでは,映画上映後,映像的手法を用いた映画制作のプロセスや,現場での研究経験(カメラのある無しに問わず)について、報告を行う予定である。
 このドキュメンタリー映画は,10数年前に夫の随伴家族として,日本に移住した2人のインド人女性の人生を記録したものである。主人公である2人の女性,ジョティとマンディープは、インド北部のパンジャーブ州で、中流階級の家庭に育った。彼女たちは、高い教育を受け、インドで有望なキャリアを積んでいた。そして20代前半、彼女たちはそれぞれ、日本に住む男性とお見合い結婚をすることに同意した。
 彼女たちは、異国への移住と夫との生活に胸を躍らせたが、日本についての予備知識は全くなかった。アメリカ、イギリス、カナダに住む親戚の生活を遠くから見てきた彼女たちは、自分たちの日本での生活にも同じような期待を持っていた。しかし、現実はその期待とは異なるものだった。快適さ、豪華さ、愛、楽しさにとって代わったのは、孤独と恐怖だった。
 彼女たちが語る個人的な物語を通して、過去のこと,現在のこと,また未来に対する期待を検証し、それがインド人女性として、妻として、母親として、外国で働く労働者としての役割にどのように影響するのか、また「自分のニッチを見つける」ために、彼女たちが直面した課題を明らかにする。
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