兼松セミナー

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論題

マレーシアにおけるイスラーム開発金融の動態: 動産担保貸付の調査から

報告者

上原　健太郎（同志社大学人文科学研究所）

概要

　本発表は、マレーシア、ブルネイ・ダルサラーム（以下ブルネイ）のイスラーム型動産担保貸付（Ar-Rahnu）が、顧客の経済活動に対してどのように寄与しているのか、また金融システムのなかでどのような位置づけが行われるのかを明らかにすることを目指している。具体的なリサーチクエスチョンは、Ar-Rahnuというマイクロクレジットが、マレーシア、ブルネイにおける借入行動に対してどのように影響を与えているのかという点にある。
　結論として、Ar-Rahnuの顧客は、主にイスラーム教徒のマレー人であること、またAr-Rahnuが従来の中国系質屋の代替というよりは、内部資金（家族・友人からの借入等）や銀行によるローンの代替として用いられていたことが判明した。