兼松セミナー
兼松セミナー
日時 | 2023年4月6日(木)15:30 ~ 17:00 |
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会場 | ハイブリッド(対面開催/ZOOMを使ったオンライン開催) |
対象 | 教員、院生、学部生および同等の知識をお持ちの方 |
使用言語 | 日本語 |
参加登録 | ※事前登録制です。下記より参加登録をお願い致します。 参加登録 (締切:4/3) |
15:30 ~ 17:00
- 論題
- 日本とインドのガラス工業
- 報告者
- 玉村 紳(大阪大学大学院文学研究科)
- 概要
- 日印の近代硝子工業技術は共に19世紀後半に、主としてイギリス経由でもたらされ、ほぼ、同レベルからのスタートであったが、19世紀末には、日本は改良型硝子溶融炉(日本式溶融炉)の国産化と改良成形技術(日本吹き)を確立するとともに、板ガラスを除く低級品の輸入代替とアジア市場への輸出を同時進行させた。これに刺激をうけたインドは技術導入の為、インド人留学生を日本に派遣するとともに、少なからぬ日本人技術者をインドに招聘し国産化を図った。
第一次世界大戦の勃発を画期として、日印の硝子工業は生産拡大のきっかけを手にした。インドでは1920年代には国産硝子製品のシェアは50%程度にまで上昇したが、同時に在日インド商人により、中間投入財の調達コスト に勝る日本製ガラス製品が大量に輸入された。さらに一部はインドから周辺諸国のみならず東アフリカ沿岸へまで再輸出された。その結果、インド内陸部市場と沿岸部および海域周辺諸国市場とを、製品価格(生産費+輸送費)に従ってすみ分ける、綿製品とは異なる「アジア間貿易」が形成された。