タイトル

子育てのあり方と親子関係-日本における実証研究-

要旨

本稿では、子供時代に親から受けた子育てのあり方が親とのどのような親子関係をもたらしているかを実証的に分析して、親を肯定的に見る子供が、家庭を持つこと、結婚すること、子どもを持つことに対して肯定的となることを検証する。子供時代に親からうけた子育てを、支援型、厳格型、迎合型、放任型、虐待型に分類すると、支援型の子育てを受けた子供は、理想の男性(女性)が父(母)であること、婚姻率、希望する子供の数のいずれも、他のタイプの子育てを受けた子供よりも高い数値を示している。これは、支援型の子育てを受けた子供が、将来において、他のタイプの子育てを受けた子供よりも、所得、幸福感、学歴で、高い成果を上げているという、西村と八木(2016)による研究結果であるとも合致している。

キーワード

子育てタイプ、支援型、理想の男性、理想の女性、婚姻率、希望する子供の数

JEL Classification code

I21, I26

連絡先

〒657-8501
神戸市灘区六甲台町2-1
神戸大学経済経営研究所
西村 和雄
TEL: 078-803-7036 FAX: 078-803-7059

同志社大学経済学部
八木 匡