タイトル

全国の市区町村データを用いた金融機関店舗の実証分析

要旨

「金融機関の店舗はうまく配置されているのか」と問われたとき、何を基準として「うまく配置されている」と判断できるのであろうか。金融機関の店舗は金融サービス提供の拠点であり、店舗数は地域に対する金融サービスの濃密度を示す尺度である。金融機関の店舗展開は店舗によって提供される金融サービスに対する需要に依存しているので、金融機関店舗分布分析は店舗によって提供される金融サービスに対する需要の決定要因の分析である。本研究の特徴は、先行研究の大半が、地域属性が著しく異なっていることを理由として、特定の圏域(圏、都道府県)だけに限定して、市町村レベルで金融機関の店舗配置を実証分析しているのに対して、本稿は、都道府県で言えることが圏(「大都市圏 vs. 大都市圏以外」)で言えるか、圏で言えることが全国で言えるか、逆に、全国レベルで言えることが圏で言えるか、圏で言えることが都道府県で言えるかを検証するために、全国、大都市圏 vs. 大都市圏以外、すべての都道府県の3段階で、市区町村レベルで金融機関の店舗配置を実証分析している。

キーワード

金融機関店舗分析、店舗ハーフィンダール指数、店舗ローレンツ曲線、店舗ジニ係数、店舗数の決定要因

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