タイトル

日本・台湾のものづくりにおける協力と競争

要旨

エレクトロニクス産業の国際競争において、これまで日本と台湾は対立的な競合関係という文脈で語られることが多かった。しかし、すりあわせによって付加価値創造を得意とする日本と、高度なモジュラー型産業構造によってスピードと効率の良さを長所とする台湾のものづくりは、相互補完的な関係にある。しかも、台湾には知日派の長い歴史があり、今日の若者世代にも「哈日族」と呼ばれる日本びいきが多数存在しており、日台は協力関係を構築するための文化的な下地を有している。本稿では、台湾における知日派の歴史の概観した後、日本と台湾の相互補完的な組み合わせによる「J-ワン・モデル」による競争力強化の可能性と、その先にある東アジアの互恵的競争について論じる。

キーワード

ものづくり経営、国際競争力、台湾、J-ワン・モデル

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香川大学経済学部
神吉 直人