日本の政府債務は膨張の一途を辿っているが、財政破綻の可能性は10年以上前から叫ばれており、近い将来に財政破綻が起こるか否かは意見の分かれるところである。
その大きな一因は、財政破綻リスクは直接観測できないことであると考えられる。しかし、東日本大震災で経験したように、深刻なリスクは事後的に初めて認識されることが多い。
本研究の目的は、これまでの研究代表者の共同研究の成果に基づき、バブル崩壊・金融危機・財政破綻のリスクを事前に推定し、これらのリスクに適切に反応する包括的かつ最適な金融・財政政策を導出する手法を確立することである。
さらに、多層的金融ネットワーク・モデルを構築し、同様の技術により、危機発生後の危機管理の手法の確立も目指す。