「DVDレコーダーなど光ディスクにおける技術動向と収益モデル」
問題設定 |
光ディスク関連産業は、DVDレコーダーに象徴されるように、日本企業が技術と市場を牽引してきたデジタル機器の代表的な成功事例であるが、一方では、DVDプレイヤーのような典型的なモジュール型製品となると、中国や台湾企業に比較的早期に模倣され、低価格競争に巻き込まれる傾向が顕著である。従って、今後の光ディスク関連製品は、技術的に優れ顧客ニーズにもあったイノベーション創造を継続しつつ、セット戦略/デバイス戦略なども含め、事業としての競争力・収益力を持続する方策を検討する必要がある。 |
研究会の
インプリケーション |
・DVDプレーヤーの失敗はデバイスにロイヤリティをかけなかったこと。モジュール型製品は、デバイスを購入すれば最終組立てまでを管理費・人件費の安い中国で行うことが可能となり、コスト的に競争できない。
・セット、デバイス、ソリューションなど様々な形で投資を回収する必要がある。
・光ディスクの場合、規格競争のせいで十分な投資回収ができなかった側面がある。自陣営の勢力拡大のためにソリューションを安く中国に売り、それが値崩れを起こした側面が大きい。次世代規格(HDDVDとB−Ray)も思ったより早くきてしまった感がある。
・モジュール型製品でも、キーデバイスである光ピックアップなどは、摺り合わせ型の製造ラインを持つことで技術のブラックボックス化に成功し、利益を上げている。
・DVDレコーダーについては、DVDコンテンツの普及度や録画文化の違いへの対応によって、(ブランド戦略も含めて)プレーヤーとは異なる戦略を検討することが重要。そうでなければプレーヤーの時と同じ様なモジュール型製品の経過をたどることになる。 |
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