RIEBセミナー RIEB Seminar

日時 2016年6月24日(金)午後4時00分から午後5時30分まで
会場 神戸大学経済経営研究所 会議室(新館2階)
対象 教員、院生、および同等の知識をお持ちの方
使用言語 日本語
備考 論文のコピーは共同研究推進室にご用意いたします。

4:00pm~5:30pm

報告者 加藤 篤行
所属 金沢大学 人間社会研究域 経済学経営学系/経済産業研究所
論題 Exports, Exchange Rates, and Productivity: An analysis of the Japanese manufacturing sectors
概要 本研究では、2002-2012年における日本の製造業に関する企業レベルデータを用いて、為替レートの変動が輸出を阻害するか、および生産性やマークアップの違いが輸出に影響するかを実証的に分析した。ヘックマンの二段階推定法を用いた分析によると、為替レートが企業レベルの輸出に関して重要なファクターであることが確認されたが、分析においては、データの期間に関するマッチングも重要であることが同時に示された。生産性とマークアップに関しては、輸出に対する影響は産業間でかなり異なっていることが本研究の分析から示された。輸送機械産業においては、円高による輸出に対するマイナスの影響を、生産性の高い企業は部分的には吸収できるが、一般および生産機械産業では高い生産性もマークアップも円高の影響を緩和することができない。電子産業ではマークアップは輸出に正の影響を示したが、輸送機械産業では負の影響が確認された。本研究の分析結果は、為替レートの安定化が輸出には重要であることおよび効果的な貿易政策は産業ごとにかなり異なっていることを示している。(RIETI Discussion Paper Series 16-E-045)