神戸大学経済経営研究所

地域金融の現場からみた地域密着型金融と中小企業金融の現状と課題―地域金融機関支店長向け実態調査の結果報告―

本稿は、科学研究費・基盤研究（A）の共同研究プロジェクトの一環として、地域銀行および信用金庫、信用組合の支店長に対して、地域密着型金融と中小企業金融の現状と課題について、直接の意見を尋ねるために実施した、アンケート調査「地域金融の現場からみた地域密着型金融と中小企業金融の現状と課題に関する実態調査」の結果を報告することを目的としている。この調査は、全国71の地域金融機関の支店長4050人に対して、2013年１月から２月に実施し、1350人からの回答を得た。本調査の調査票は、①金融機関および回答者の概要、②所属する支店の概要、③貸出先とのリレーションシップの構築、④提供しているコンサルティングの中身、⑤経営支援への取り組み、⑥金融行政への評価、⑦ビジネスマッチング等、と多岐にわたって尋ねる構成となっている。地域密着型金融の要とも言えるにもかかわらず、地域金融機関の支店長に対する実態調査はこれまでほとんど行われておらず、本稿は貴重な情報を提供している。