グローバル経済におけるバブルと金融危機に関する研究:理論と実証

研究目的

 1929年のニューヨーク株式市場大暴落が招いた世界恐慌以来、資産バブルの崩壊(もしくは資産価格の暴落)により数多くの金融危機が引き起こされてきた。特に80年代以降、経済のグローバル化により国境を越えた資金移動が活発になり、バブルの発生・崩壊、及びバブル崩壊を引き金とした(通貨)金融危機が頻繁に見られるようになった。80年代後半から90年代初頭の日本のバブル経済、90年代のラテンアメリカの消費バブル及び東南アジアの投資バブルは、崩壊後に深刻な金融危機を招いた顕著な例である。

 そして2009年4月現在、世界経済は、米国の住宅バブル崩壊に端を発し、世界恐慌以来最悪とも言われる経済危機に直面している。経済のグローバル化に伴い、バブルの発生・崩壊が頻繁になっただけではなく、1国で起きた金融危機はもはや世界経済全体に深刻な影響を及ぼすようになった。その一方で、バブル・金融危機・経済危機への対応策は未だ確立されているとは言えない。

 本研究の目的は、グローバル経済におけるバブルの発生・崩壊、バブル崩壊が引き起こす金融危機、及び1国で発生した金融危機がグローバル経済に与える影響を理論・実証の双方向、及びミクロ・マクロ・グローバル的視点から総合的に分析・検証し、バブル期・金融危機時に有効な経済政策を提言することである。


本研究は以下の助成を得ています。
独立行政法人 日本学術振興会 科学研究費補助金(基盤研究(A))(2009〜2011年度)