RIEB セミナー (ツーリズム研究部会共催)
RIEB Seminar (Jointly supported by Tourism Research Group)

日時:
(Date&Time)
2005年11月19日(土)午後2時から (Saturday, November 19, 2005, 2:00pm〜)
・< 2:00-3:30pm >
報告者:
(Speaker)
所属:
(Affiliation)
澤田 太郎 (株式会社大丸神戸店)
SAWADA Taro (DAIMARU KOBE)
論題:
(Topic)
百貨店の集客とツーリズムについて
Strategy for Attracting Guests and Tourism-A Case of Department Store
概要:
(Abstract)
1) 売上の絶対法則 売上=客単価×客数
2) 売上を上げるためには、客単価を上げるか、客数を増やすしか方法が無い。
3) 客数を上げるには、まず入店客数を増やすこと
4) 入店客数を増やすためのアプローチは2つ
   @ 既存顧客の来店頻度を増やすこと
   A 新規顧客を獲得すること
5) 既存顧客の来店頻度を高めるには
6) 新規顧客を獲得するには

 大丸神戸店は、年間1500万人を集客し、約980億円の売上があります。ターミナル型の百貨店とは違い、わざわざご来店をいただく店舗であるため、一旦入店されたお客様が、お買物をされる確率(買上率)が極めて高いのが特徴といえます。 今後1000億、1200億と売上を伸ばしていくにあたり、「入店客数を増やす」というアプローチは最も有効な方法のひとつであります。入店客数を増やすためには、既存のお客様(大丸の固定客:カード顧客)の来店頻度を更に高めるという方法と、新規のお客様を獲得するという方法のふたつがあります。新規のお客様に対して2回目3回目のご来店を促し、大丸のカードをお持ちいただいて固定客化していく、という好循環サイクルが小売業の、KFS(Key Factor for Success)であると思います。 「何が」「いつ」「どれくらい」売れたかを把握し分析するためのPOSシステムは以前からありましたが、このPOS情報に「誰が」「どのような購買傾向で」という2つの要素を加えたシステムを導入し、いわゆるCRM(Customer Relationship Management)を現在当社では実践中であります。全売上のうち、既存顧客の売上が占める割合(補足率)は、当店で60%以上ありますが、今以上に精度の高いCRMの実践していくためには、この補足率を高めること(カード化の推進)が必要です。 また新規顧客(フリー客)を獲得するためには、ゼロサム的な視点で言えば、商圏内の競合店からお客様を奪うということになりますが、私個人としては商圏を拡大するという考え方の方に魅力を感じます。関西全域や特に今後競合が激化する梅田地区を商圏に取り込もうとするには、単店舗だけで立ち向かうには限界があります。元町・旧居留地・南京町・栄町・トアロード界隈等をひとつの大きな「ショッピング・リージョン」と位置付け魅力を向上させていく、さらに言えば神戸全体の魅力を戦略的に向上させて集客面での競争力を高めていくという発想が今後ますます重要になってくるものと思います。そのためには、新たな施設(箱モノ)を作るというよりはむしろソフト面の強化、例えばもともと存在している神戸の魅力に何か新しい発想や仕掛けを加えたイベントやプロモーションを定期的に実施するとか、これだけは負けないという物やコトを徹底的に磨き上げ一点突破的に展開していくという事に取り組むべきではないかと思います。 ショッピング・リージョンを形成するにあたり、都心型の百貨店の果たす役割は決して小さくないと思いますので、行政やさまざま異業種の皆様との連携を今以上に強めてまいりたいと思います。
・< 3:30-5:00pm >
報告者:
(Speaker)
所属:
(Affiliation)
青山 裕都子(株式会社京阪神エルマガジン社)
AOYAMA Yumiko (Meets Regional, L Magazine)
論題:
(Topic)
観光都市として求められる神戸の食文化、その媒体としての「神戸的」飲食店
Food Culture for Tourist City of Kobe and “Kobe Style” Restaurants
概要:
(Abstract)
京阪神エルマガジン社発行の『ミーツ・リージョナル』誌では、単に「店」を消費にアクセスするためのツールとして捉えるのではなく、「《店》を点と捉えると、《街の今》はその点の集積に他ならない」というところから街のパーツとして「店」を紹介している。  この観点から、ミーツ・リージョナル別冊『神戸本』では、「神戸の飲食店」の一軒一軒に「神戸」の街そのものの片鱗があるはずだし、その集積でしか、実は神戸の街を語れない。という編集理念を立てているが、それがつまり「観光ガイド」として高い評価を受け、10万部超のベストセラーとなった。結果として「観光都市神戸」をあぶり出した『神戸本』から、神戸に求められている「観光」要素を取り出してみたい。
会場:
(Place)
神戸大学経済経営研究所 調査室 (兼松記念館1階)
Seminar Room at RIEB (Kanematsu Memorial Hall 1st Floor)
対象:
(Intended Audience)
教員,院生,および同等の知識をお持ちの方
Faculty, Graduate Students, and People with Equivalent Knowledge
使用言語
(Language)
日本語
Japanese
備考:
(Note)

論文のコピーは研究助成室にご用意しております。
Copies of the paper are available at Research Assistant Room.