タイトル
再販売価格維持と系列連鎖店制の生成過程 ―医薬品製造業者の事例―
要旨
本稿の目的は、比較取引制度分析にもとづいて、医薬品製造業者を事例対象に取り上げ、取引慣行の生成過程を明らかにし、その経済的根拠を説明し、歴史経路依存性を識別することである。系列連鎖店制の目的は、再販売価格維持とそれに必要な小売業者間価格結託形成を促進することであった。卸機能統合型流通チャネル制をとることによって、製造業者が小売業者の再販売価格維持の履行を直接監視することができた。ブランド・マーケティング展開が再販売価格維持行為の実効性を高めた。系列連鎖店制、リベート制、流通販売促進、ブランド・マーケティングは、再販売価格維持制度を医薬品製造業者にとって、その実効性を保証する条件となった。
キーワード
再販売価格維持、取引慣行、系列連鎖店制、リベート制
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小島 健司
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