タイトル
総合商社 −日本人が日本語で経営−

要旨

 本稿の第1の目的は、総合商社の主要な業務であるトレード(卸売り業務)が、日本人によって、日本語で行われていることを明らかにすることである。これは、総合商社の日本的国際経営マネジメントの事実発見である。第2の目的は、総合商社の日本的国際経営マネジメントの理由を明らかにすることである。理由として、日本企業との取引、日本本社中心の経営、日本本社の非国際性、日本的マネジメント、日本人の特性、わかりにくい業務の6つをあげることができる。このうち日本企業との取引がいちばん重要な理由である。総合商社の国際経営が日本人と日本語の国際経営である基本的な理由は、取引相手の企業の大半が日本企業であるためである。取引企業のうちでは売り先企業(顧客)がとくに重要であるが、顧客の約3分の2は日本企業である。顧客の日本企業に売り込むうえでは、日本人と日本語が適合的である。


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