タイトル
ユーロ・レートの単位根検定 ─日次データを用いて─

要旨

  この論文では、ヒト・ゲノム解析計画によって遺伝子情報が解明された世界を考え、生命保険市場において、保険会社が加入者に対して、審査目的で遺伝子診断を行うときの均衡分析を試みた。しかしその際、保険会社が遺伝子診断による保険契約を提示できたとしても、契約者と保険会社の間には情報の非対称構造が存在する点に注目し、このような状況での均衡形態について考察した。その結果、このモデルにおいて、均衡はいかなる場合においても存在することが結論として導かれた。しかし、このとき、遺伝子診断の受診率の変化に応じて、逆選択とは全く異なる均衡が存在することを示し、この均衡に基づいて、現実問題として不安視されている、「遺伝子による差別」の発生メカニズムについて考察する。


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     神戸大学経済経営研究所
      井澤 秀記
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