タイトル
ディスプレイ関連学会の発表動向の分析

要旨

科学(サイエンス)との関連性が強くなる産業分野が増え、産業におけるサイエンスの意義に対する関心が高まっている。科学と産業の関連性が高まっているというとき、そこには互いに区別すべき二つの場合がありうる。第1は、科学に依拠してイノベーションが行われ、それによってまったく新しい産業が興る場合である。第2は、これまでどちらかといえば科学とは縁が薄いと思われてきた在来の産業のなかで、科学の知見の重要性が増大する例がある。既存産業がいわば「サイエンス型化」しつつある場合である。従来支配的だったブラウン管から液晶表示パネルやPDPへとキーデバイスが置き換えられ、さらに次世代ディスプレイ技術の提案もあるディスプレイは後者の一例だと思われる。このディスプレイ関連の学会では、これまで発表件数において日本が主導的立場にあったが、その日本を最近韓国が逆転したという衝撃的なレポートが出ている。本稿では、この「日韓逆転」を分析する。

キーワード:サイエンス、学会、産業、イノベーション、薄型ディスプレイ


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     慶應義塾大学総合政策学部
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