神戸大学金融研究会
(Monetary Economics Seminar of Kobe University)

日時:
(Date&Time)
10月16日(土)午前10時30分から (Saturday, October 16, 10:30am〜)
報告者:
(Speaker)
森 純一 氏 (MORI Junichi)
所属:
(Affiliation)
京都大学 (Kyoto University)
論題:
(Topic)
「アジアにおける債券市場の育成と円:ベトナム国債市場のケース」
概要:
(Abstract)

本報告書は、財務省の委嘱調査「ベトナムの国債市場整備にかかわる技術協力」に基づき財団法人国際通貨研究所(IIMA)がとりまとめたものである。
1997年に勃発したアジア危機はアジアの金融システムの脆弱性を露呈させることとなった。その背景にあったのは、アジア各国の金融システムが銀行部門中心に形成されており、国内の資本市場が未発達であったこと、このため、危機発生に当っては国内銀行システムに過度の負荷がかかり銀行システム不安を惹起したこと、そして、各国の為替制度が米ドルに事実上ペッグしていたために、過度のドル依存があったことである。このような反省に立って、日本の財務省が提唱し、ASEAN+3が取り組んでいるアジア債券市場イニシアティブ(ABMI)は、アジアにおける金融協力をさらに推し進め、実効性のある地域協力を実現しようとしている。
今回の技術支援はASEAN+3 のなかでも、相対的に資本市場の発展が遅れているベトナムにおける国債市場の発展のために、現状の把握、問題点の分析、そして将来への提言を行うことを中心に、ABMI への取り組み、および実務的なノウハウを含めての人的指導までも含んでいる。
調査は、長い資本市場業務経験をもつ3 名の専門家とHoang Qui社のDung氏を中心に行われ、IIMAの本部スタッフがサポートを行った。
本技術支援は、本邦およびベトナムの当局者、市場関係者など多くの方々のご協力があって出来上がったものである。また、同プロジェクト顧問の早稲田大学社会科学部および同大学院社会科学研究科トラン・ヴァン・トゥ教授には、調査の過程で種々の有益な助言を頂いている。ここにあらためて関係各位に感謝の念を表するとともに、本報告書が今後のベトナムにおける国債市場および資本市場の発展にいささかでも寄与することができれば幸いである。また、本報告書が、今後の東アジアにおける決済システムの発展、ひいては域内債券市場育成の一助となればこれに過ぎる喜びはない。

会場:
(Place)
神戸大学経済経営研究所 会議室(研究所新館2階)
RIEB Meeting Room (New Building 2nd floor)
対象:
(Intended Audience)
基本的に会員制の研究会ですが、非会員で関心のある方の参加も歓迎します。
The seminar is primarily for the workshop members. But non-members are also welcome to attend.
備考:
(Note)

論文のコピーは開催日当日に会場にご用意いたします。
Copies of the paper will be available on that day of the seminar at meeting place.
セミナー参加を希望される方はお手数ですがご氏名、ご所属、ご連絡先(メ-ルアドレス)を事前に研究助成室までご連絡下さい。
If you are interested in participating, please send us, Research Assistant Section, an email including your name, affiliation, and email address beforehand.