タイトル
英語で経営する新台湾企業と欧州企業 −現地調査レポート−

要旨

 2000年10月31日より11月2日まで、台湾の台北市および周辺の地域、そして新竹科学工業園において企業訪問調査を行った。調査の目的は、「国際経営と言語」というテーマでわれわれ3名が行っている共同研究の一環として、台湾における台湾企業、日本企業、欧州企業における言語の使用状況を調査することであった。
 現地調査から、新竹科学工業園にある半導体やパソコンの台湾企業(新台湾企業などといわれる)では、英語が実質的に社内の共通語になっていることが明らかになった。また、欧州企業の言語の状況も同じで、英語が共通語になっている。このように新台湾企業と欧州企業は英語で経営している。これとは対照的に、日本企業では日本語が共通語になっている。日本親会社とのコミュニケーションにおいて、また、台湾子会社の内部において、日本語が中心的な言語として使われている。
 台湾の新台湾企業と欧州企業の経営者や管理者の目からみるとき、世界のなかで英語が通用しない代表的な国が日本、韓国、中国である。
 現地人の経営幹部、女性の活躍、カジュアルな服装、多い中途入社の社員、アメリカ帰りの社員、明るいオフィス、ストックオプションといった特徴や制度が新台湾企業と欧州企業にみられる。企業文化や社員のワークスタイルの点でも、日本企業は新台湾企業と欧州とはちがっている。 


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