タイトル
研究開発の国際化の現状と成果 ─日本親会社へのアンケート─

要旨


 研究開発の国際化の現状と成果を、日本親会社へのアンケート調査のデータによって明らかにしょうとするのが、本論である。
 本論では、つぎのようなテーマをとりあげている。
  −日本親会社の研究開発の国際化(研究開発の内なる国際化)
  −海外研究開発の実施の有無
  −海外で研究開発を行う理由
  −海外で研究開発を開始した時期
  −海外で研究開発を行う研究者・技術者
  −研究開発の国際コミュニケーションと言語
  −研究開発の成果の国際移転
  −海外での研究開発の成果と問題点
  −海外での研究開発の将来計画
 発見事実のいくつかを紹介すると、つぎのとおりである。
 海外で研究開発を行っている企業は、半数をすこし(52%)うわまわっている。
 海外で研究開発を行う理由としては、日本親会社の技術を現地市場のニーズに対応するように応用展開する、現地の研究開発の資源と環境を活用する、研究開発の国際分業と相乗効果を追求するの3つがある。
 海外での研究開発の4分の3(77%)は1985年以後にはじまっている。この歴史の新しさがいちばんよくあてはまるのは、中国での研究開発である。
 研究開発にかんして、日本親会社と各海外子会社が緊密な関係にあるのにくらべて、海外子会社の相互間の関係は希薄である。このことは、研究者・技術者の往来、国際コミュニケーション、研究開発の成果の国際移転についていえる。
 海外での研究開発は成果をあげているところが多い。


連絡先:〒657─8501
     神戸市灘区六甲台町2−1
     神戸大学経済経営研究所
       吉原 英樹
  TEL: 078−803−7036
  FAX: 078−803−7059