タイトル

コンピュータの発展とサービス・イノベーション

要旨

本稿では、製造業が行うサービスに焦点を当て、その発展の系譜を明らかにし、さらには、インターネットの発展がもたらすサービスはどのように価値を生み出しているのかを明らかにしたい。モノとサービスによる新たな価値を考える必要性をサービス・イノベーションとしよう。現在、サービス・イノベーション研究は、イノベーション研究、マーケティング研究など様々な分野にわたり、学際的にとらえられている。ここでは、サービス・イノベーションを多義的な意味で捉えるのではなく、どのように新たな価値を生み出しているのかを実務的な見地から考えてみたい。モノとサービスによる新たな価値創造のためのサービス・イノベーションの議論が行われている。本稿では、サービス・イノベーションは、どのような価値を生み出しているかについて、理論的ではなく、実務的な見地から考えることを目的としている。サービス・イノベーションは、サービス業だけではなく、製造業にとっても新たな価値創造、そして生産性の向上という側面から取り組むべき課題となっている。しかしながら、サービス・イノベーションは、戦略的な要素はもちろん、むしろ、顧客と向き合う局面におけるオペレーションの能力が要求される。そのために、伝統的に日本企業が得意としてきた合理化や改善といった積み重ねのアプローチだけではなく、ビジネスのプロセスそのものを斬新する創造性も要求される。

キーワード

サービス・イノベーション、 サービス・サイエンス、 顧客志向、 ビッグ・データ

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広島大学大学院社会科学専攻マネジメントコース博士課程後期
香坂千佳子