タイトル

中学校および高等学校の教員の金融・保険教育に対する意識調査-2015年3月調査の結果の概要-

要旨

これまで、中学校や高等学校の教員に対して金融経済教育に関する意識調査が、金融庁や証券業協会などで実施されてきた。こうした調査では金融経済教育の重要性を中高教員が認識していることが確認されてきた。しかし、家森(2015)で指摘したように、こうした調査では、社会科や家庭科などの金融経済教育に関連の深い科目の担当教員に対して調査を行っているだけであり、学校現場の全体的な雰囲気を知ることはできない。また、社会科や家庭科の授業時間が限られる中で、金融や保険リテラシーを生徒に身につけさせるためには、他の教科での取り扱い(たとえば、数学で複利計算を取り扱う)の充実が望ましいと考えられる。そこで、筆者は、2015年3月に、教科を限定せずに中高の先生方に対して「中学校および高等学校の教員の金融・保険教育に対する意識調査」を実施した。本稿は、その集計結果を紹介することで、今後の議論の出発点とすることを意図している。

連絡先

神戸大学経済経営研究所
家森 信善
E-mail: yamori@rieb.kobe-u.ac.jp