RIEB Discussion Paper Series No.2014-J05

タイトル

オランダ・フードバレーのサービス・イノベーション

要旨

ヨーロッパ北西部に位置するオランダは、国土の46%が農用地であり、酪農を始め園芸植物や野菜の耕作地が九州とほぼ同面積の1,600万m2である。オランダの農産物輸出額はおよそ9兆円とアメリカに次ぐ世界第二位の規模であり、現在も年率数パーセントの成長を続けている。農耕地が広がる景観からオランダは農業大国であるというイメージが強いが、農林水産業は名目GDPの1.4%程度であり、アメリカや日本とほぼ同等である。アメリカは、広大な国土を利した大規模耕作による、効率を重視した農業を特徴とするが、オランダは温室栽培を始めとするテクノロジーを集積した、生産性の高い農業が特徴である。オランダ東部のドイツ国境に近いヘルダーラント州に広がるのがフードバレーと呼ばれる地域である。本ケースでは、オランダのフードバレーに焦点を当て、なぜオランダの農業は強い競争力を有するのか、そして、フードバレーが産業集積という段階を経て、イノベーションが多く起こる産業クラスターに成長した要因を考察する。

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