タイトル

「日銀理論」批判を考える(1)

要旨

日本銀行の金融政策運営については、「受動的」「消極的」と批判され、その説明については「日銀理論」として批判されることがある。しかし日銀の立場に立った説明には、貨幣の需要にも考慮した実務面も踏まえた説明という特徴もある。そこで本稿では、日銀と学界との論争の嚆矢ともいえる小宮教授の批判(1988)を題材に、「日銀理論」と学界の論争について検討を加えている。具体的には、マネタリーベースのコントロール、信用乗数、準備率操作等についてみたあと、論争の背景にある時代的な問題、制度的な問題にも触れている。

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