タイトル
既存企業によるサイエンスとの関わり方:太陽電池の事例

要旨

地球環境に対する関心の高まりにともない、再生可能エネルギーとしての太陽光発電が脚光をあびている。1973年の第一次オイルショック以降、日本は新エネルギーの 技術開発と普及に注力してきた。本稿は、この太陽電池をとりあげ、産業と科学の関 わり方を分析する。調査対象はカネカ、昭和シェル石油、本田技研工業の3社であ る。日本のおもな太陽電池メーカーがエレクトロニクス関連企業であるのに対して、 これら3社は、異なる産業から参入してきた企業である。その3社が新たな知識を必要 とする産業に進出するために、どのように科学と関わってきたのかについて、詳細な 事例分析と科学文献と特許を用いた分析をもとに議論する。

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