11月中の毎土曜日に(15日は除く)、4日間計8講義(1講義は90分)からなる公開講座を実施した。テーマは「経済・経営とイメージ・デザイン
― イメージの政治経済学 ―」である。企業や政府から提供される情報に基づいて、我々一般市民は将来を予測しながら生活しているが、提供される情報は、実は、数値や文字に限定されるものではない。最も目に付きやすい図像やデザインもまたそうした組織から提供され、我々の生活や思考自体に影響を与えている。公開講座では、最も数値情報に関係があると思われる経済経営領域で、意外にも、いかに図像情報が多く提供され用いられて、我々の経済的意思決定にまで影響を与えているかを知ってもらいたく、企画した。リエゾンセンターが作成中の図像を取り込んだ「企業情報データベース」理論的作成基盤を検討する意味を込めている。
講師には、多くの部局の先生方や、外部の先生あるいは実務家にお願いしたが、この種の有料公開講座では盛況で50名ほどの参加者があった。第1日目の「都市計画・景観と経済経営」では、正司健一経営学部教授、吉井昌彦経済学部教授、第2日目の「美術・色と経済経営」では、宮下規久朗文学部助教授、天野雅敏経済学部教授、第3日目の「建築イメージと経済・経営」では、重村力工学部教授、澤良雄アトリエサワ主催、第4日目の「写真・船舶デザインと経済経営」では上野継義京都産業大学教授と富田昌宏経済経営研究所教授に講義に担当していただいた。
情報が実態を表象するのではなく、情報によって社会関係が生まれ、その中で事実が構築されていくという構造主義言語学的思考に根ざした企業データベースの作成意義を理解していいただけたと確信している。 |