松本 陽一 Yoichi MATSUMOTO

役職 准教授
研究部門 企業競争力
生年月 昭和54年4月
学歴 平成15年 3月 慶應義塾大学 総合政策学部卒業
平成17年 3月 慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 修士課程修了
平成20年 3月 慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 後期博士課程修了
学位 平成17年 3月 修士(政策・メディア)慶應義塾大学
平成20年 3月 博士(政策・メディア)慶應義塾大学
職歴 平成20年 4月 文部科学省科学技術政策研究所客員研究官
平成20年 4月 神戸大学経済経営研究所講師
平成24年11月 神戸大学経済経営研究所准教授
研究分野 イノベーションマネジメント
研究課題 (1)太陽光発電ビジネスのイノベーション
(2)薄型ディスプレイのイノベーション
(3)日本の半導体企業の競争力分析

研究活動<概要>

 収益獲得はつねに企業の重要な経営目標である。ただし、こんにちの日本において企業の収益獲得の問題はとりわけ重要である。近年、複数の注目すべき研究が日本企業の収益性の低下を指摘してきた。薄型テレビやDVD関連機器といった複数の製品分野において、日本企業は技術イノベーションで先行しながら、そこから十分なリターンを得ることに失敗している懸念がある。
 技術イノベーションで先行しながら、日本企業が自ら成し遂げたイノベーションから収益を獲得することが困難になっているとすれば、それはどのように生じるのか。こうした事態はどのように解決できるのか。これが研究の問題意識である。イノベーションを成し遂げるために企業は先行して投資を行わなければならない。もしも自ら果たしたイノベーションから十分な収益を得られなければ、つぎのイノベーションに向けた投資が難しくなり、企業は持続的に競争優位を維持することができなくなる可能性は高い。新興国の台頭が著しい現代において、日本企業が持続的な競争優位を得るためには、このイノベーションのサイクルを上手く回していかなければならない。
 この問題について、筆者は太陽光発電産業、液晶ディスプレイ産業、半導体産業の三つの異なる製品分野に関心を寄せ、調査研究を行ってきた。どの分野でも、日本企業はかつて世界的に極めて強い競争力を持ち、その技術革新をリードしてきた。ところが、近年では世界的な存在感を大きく低下させている。こうした分野で日本の有力企業が苦戦を強いられている理由とは何か。この疑問について、筆者は大別2つの観点からの研究を進めている。ひとつは技術開発に関わる問題であり、技術革新としてのイノベーションについてである。もう一つは技術開発以外の問題であり、例えば収益のあげ方という意味でのビジネス・モデルのイノベーションについてである。いずれか一方だけに問題があるというよりも、それぞれに何らかの問題が潜んでいる可能性があり、互いが影響しあっている可能性もある。こうした観点から、事例および理論の研究を進めた。

<研究業績>

研究業績

【著書】
Title   Date
「イノベーションの専有可能性~キヤノンの事例」 (榊原清則と共著) コルネリウス・ヘルシュタット、クリストフ・シュトックシュトルム、ヒューゴ・チルキー、長平彰夫編著『日本企業のイノベーション・マネジメント』同友館 3-38頁 2013年6月
「建機製造からアフターマーケット・ビジネスへ-コマツの挑戦-」 (善本哲夫と共著) 長内厚・榊原清則編著『アフターマーケット戦略-コモディティ化を防ぐコマツのソリューション・ビジネス』第2章 白桃書房 23-57頁 2012年1月
「イノベーションの相互浸透モデル:企業は科学といかに関係するか」 (榊原清則・辻本将晴と共著) 白桃書房 212頁 2011年3月
「テレビ産業の競争と利益獲得方法の多様化」 (小笠原敦と共著) 榊原清則・香山晋編著『イノベーションと競争優位-コモディティ化するデジタル機器』NTT出版 163-196頁 2006年7月
"Designing the Product Architecture for High Appropriability: The Case of Canon" (with K. Sakakibara) in Herstatt, C., C. Stockstrom, H.Tschirky & A. Nagahira, eds., "Management of Technology and Innovation in Japan", Springer, pp.3-27 November 2005

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【査読付き論文】
Title   Date
"Finding the 'Boundary Mediators': Network Analysis of the Joint R&D Project between Toyota and Panasonic" (with Masaharu TSUJIMOTO and Kiyonori SAKAKIBARA),International Journal of Technology Management Vol.66 No.2-3 January 2014
「ドメインの階層性:戦略分析の新しい視角」 『組織科学』Vol.45 No.3,95-109頁 2012年3月
「イノベーションの資源動員と技術進化:カネカの太陽電池事業の事例」 『組織科学』Vol.44 No.3, 70-86頁 2011年3月
"Science as a tool for commercialization: A case of Kaneka's development of the solar business" Proceedings of the 5th International Conference on Management of Innovation and Technology, pp.1153-1158 June 2010
「ドメイン・フォーカス:テレビ産業の競争分析への新しい視角」 『赤門マネジメントレビュー』第6巻第10号 459-484頁 2007年10月
"The controllability of the profit structure of a product: A case stydy of the Canon inkjet printer business" Proceedings of PICMET '07, pp.185-192 August 2007
「製品の収益構造の操作可能性:キャノンのインクジェットプリンタ事業の事例」 『KEIO SFC JOURNAL』第6巻第1号 144-167頁 2007年4月

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【査読無し論文】
 
Title   Date
「オランダのフードバレー:小さな農業大国の食品クラスター」 (伊藤宗彦・西谷公孝・渡邉紗理菜と共著)『一橋ビジネスレビュー』第62巻第3号 64-79頁 2014年12月
「IEEE PVSC(太陽光発電専門家会議)の発表動向の分析」 『国民経済雑誌』第209巻第6号 43-53頁 2014年6月
「太陽電池と太陽光発電システムの垂直的関係」 『世界経済評論』Vol.56 No.6, 38-42頁 2012年11月
「組織の知識基盤の構造:シャープとサムスン電子の比較分析」 『国民経済雑誌』第205巻第5号 81-94頁 2012年5月
「太陽光発電ビジネスの変容」 『国民経済雑誌』第202巻第4号 91-102頁 2010年10月
「サービスによる製品サプライ・チェーン・リーダーシップ―台湾TSMC社のサービス活用事例―」  (伊藤宗彦・長内厚と共著)『組織科学』Vol.42 No.4, 37-49頁 2009年6月
「イノベーションの展開と利益獲得方法の多様化」 (小笠原敦と共著)『組織科学』第39巻第2号 26-39頁 2005年12月

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【未掲載論文】
Title   Date
「日本の製造業の経営成果:近年の動向とその要因の産業別分析」 Discussion Paper Series No.2016-J03 神戸大学経済経営研究所 2016年3月
「カンペールのサービス・イノベーション」 (伊藤宗彦・西谷公孝・渡辺紗理菜と共著)Discussion Paper Series No.2014-J08 神戸大学経済経営研究所 2014年7月
「サントリー・グループによる高級ワインの新規事業開発」 (伊藤宗彦・西谷公孝・渡辺紗理菜と共著)Discussion Paper Series No.2014-J07 神戸大学経済経営研究所 2014年6月
「松谷化学工業社の機能性食品ビジネス」 (伊藤宗彦・西谷公孝・渡辺紗理菜と共著)Discussion Paper Series No.2014-J06 神戸大学経済経営研究所 2014年6月
「オランダ・フードバレーのサービス・イノベーション」 (伊藤宗彦・西谷公孝・渡辺紗理菜と共著)Discussion Paper Series No.2014-J05 神戸大学経済経営研究所 2014年6月
"Heterogeneous Combinations of Knowledge Elements: How the Knowledge Base Structure Impacts Knowledge-related Outcomes of a Firm" Discussion Paper Series No.2013-15, RIEB, Kobe University April 2013
"How do science and technology intersect in complex products? An analysis of LCD-related patents" (with Kiyonori SAKAKIBARA and Masaharu TSUJIMOTO), Discussion Paper Series No.2013-11, RIEB, Kobe University April 2013
「研究ノート:太陽電池市場の2000年代」 Discussion Paper Series No.DP2012-J02 神戸大学経済経営研究所 2012年3月
「既存企業によるサイエンスとの関わり方:太陽電池の事例」 Discussion Paper Series No.DP2010-J02 神戸大学経済経営研究所 2010年1月
"Science as a tool for Commercialization: A Case of Kaneka's Development of the Solar Business" Discussion Paper Series No.2010-02, RIEB, Kobe University February 2010
「ディスプレイ関連学会の発表動向の分析」 (榊原清則と共著)Discussion Paper Series No.J102 神戸大学経済経営研究所 2009年3月

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【その他】
Title   Date
「事例研究3「太陽光発電ビジネスの勃興」」 『製造業のイノベーションマネジメントに関する研究報告書』平成21年度内閣府経済社会総合研究所委託事業『サービス・イノベーション政策に関する国際共同研究』成果報告書シリーズNo.3 内閣府経済社会総合研究所(財団法人未来工学研究所)第4章 32-44頁 2010年3月
「意匠権の開発・出願・保有及び企業価値への影響に関する探索的調査研究」 (中村健太と共著)『平成20年度我が国における産業財産権等の出願動向等に関する調査報告書』 84-143頁 2009年3月
「既存産業における企業の研究開発と科学(サイエンス)との関係」 (榊原清則・辻本将晴と共著)『NISTEP REPORT』No.111 文部科学省科学技術政策研究所 138-231頁 2008年3月

「既存産業におけるサ

イエンスとの関係の変化-ディスプレイ関連学会を事例に-」

(榊原清則と共著)『NISTEP REPORT』No.103 文部科学省科学技術政策研究所 58-90頁 2007年3月

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学会報告活動

Category Title Place Date
セミナー報告 「イノベーションを通じた競争力構築~企業の持続的成長に向けて~」第20回神戸経済経営フォーラム アリストンホテル神戸 2016年3月1日
学会報告 「戦略イシューの柔軟な操作と戦略の硬直化―シャープの液晶関連事業の事例分析―」2016年度組織学会年次大会 大阪大学 2015年12月5日
学会報告 "Focus, Outside of Focus, and Quasi-Focus of Attention in Decision Making: From The Case of Sharp's Crisis," 経営戦略学会第15回研究発表大会 駒沢大学 2015年3月14日
学会報告 「太陽電池は「技術力で勝って事業で負けた」のか?-IEEE PVSC学会発表の分析-」2014年度組織学会研究発表大会 北海道大学 2014年6月22日
セミナー報告 「太陽電池は「技術力で勝って事業で負けた」のか?-IEEE PVSC学会発表の分析-」magiccシンポジウム2014 一橋大学 2014年2月7日
セミナー報告 「太陽電池をめぐる競争の分析:技術特性から見た日本企業被逆転の要因IIRサマースクール」 一橋大学 2013年8月27日
学会報告 "How the Knowledge Base Structure Impacts Knowledge-related Outcomes of a Firm," The Third International Symposium on Operations Management and Strategy (ISOMS) 2013 大阪市立大学 2013年6月2日
学会報告 "Panasonic and Fnac: a case of CPFR," (with M. Itoh and N. Nagashima), 4th World P&OM Conference / 19th International Annual EurOMA Conference "Serving the World" University of Amsterdam, Netherlands 2012年7月2日
セミナー報告 「イノベーションの資源動員と技術進化:カネカの太陽電池事業の事例」RIEBセミナー 神戸大学 2012年6月27日
学会報告 「イノベーションの資源動員と技術進化:カネカの太陽電池事業の事例」2012年度組織学会研究発表大会,高宮賞受賞セッション 立命館大学びわこ・くさつキャンパス 2012年6月17日
学会報告 「研究開発活動における組織の知識構造 -シャープとサムスン電子の液晶ディスプレイ技術の比較-」国際ビジネス研究学会第18回全国大会 富山大学 2011年10月23日
研究会報告 「太陽光発電ビジネスの勃興と日独のビジネス・システム」アントレプレナ・エンジニアリング研究会平成22年度第1回研究会 機械振興会館 2010年6月25日
学会報告 「太陽光発電ビジネスの日独比較」JOMSA第2回全国研究発表大会 神戸大学 2010年6月19日
学会報告 "Science as a Tool for Commercialization: A Case of Kaneka's Development of the Solar Business" The 5th International Conference on Management of Innovation and Technology Furama RiverFront, Singapore June 4, 2010
学会報告 「太陽光発電事業の勃興」特別セミナー「サービス・イノベーション」-環境ビジネスにおける日本企業の戦略はどうあるべきか?-」 コンファレンススクエアエムプラス 2010年2月26日
学会報告 「意味的価値創造の製品開発マネジメント」(延岡健太郎・長内厚・中村健太・神吉直人と共同報告)組織学会2009年度研究発表大会 仙台国際センター 2009年6月7日
学会報告 「日本企業のデザイン・マネジメント-大規模特許・意匠データを用いた分析-」(中村健太と共同報告)組織学会2009年度研究発表大会 仙台国際センター 2009年6月7日
セミナー報告 「意匠権の開発・出願・保有及び企業価値への影響に関する探索的調査研究」(中村健太と共同報告)RIEBセミナー(意味的価値創造研究会共催) 神戸大学 2009年2月21日
学会報告 「科学と産業の関わり方の多様性-SID(Society for Information Display)予稿集の分析をもとに-」 2008年映像情報メディア学会年次大会 福岡工業大学 2008年8月29日
研究会報告 「ドメイン・フォーカス:テレビ産業の競争分析への新しい視角」第51回国際ビジネス研究学会関東部会 早稲田大学 2008年1月24日
セミナー報告 "The controllability of the profit structure of a product: A case stydy of the Canon inkjet printer business" PICMET07, Portland International Center for Management of Engineering and Technology Portland Hilton, Portland Oregon, USA August 9, 2007
セミナー報告 "The integrator's dilemma: A case analysis of the Japanese watch industry" The Mitsubishi Bank Foundation International Conference(K. Sakakibaraと共同報告) International Productivity Center, Hayama, Japan August 26, 2006
学会報告 「ドメイン・フォーカス:セットとデバイスから見るテレビ産業の競争分析」 2006年度組織学会研究発表大会 青山学院大学 2006年6月10日

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研究助成金

 
2014~2016年度 科学研究費補助金:基盤研究 (C)「太陽電池産業における国際的なビジネス生態系の発達プロセスの研究」(研究代表者)
2010~2013年度 科学研究費補助金:若手研究 (B)「太陽光発電のイノベーションと企業間競争における複数製品分野間の影響関係(課題番号: 22730297)」(研究代表者)
2010~2012年度 科学研究費補助金:基盤研究 (B)「産業と科学の相互浸透: 新しいイノベーションモデル(課題番号: 22330123)」(研究分担者)
2009年度 公益財団法人日本生産性本部生産性研究助成金「太陽光発電ビジネスにおけるアジア新興企業の事例研究」(研究代表者)
2008~2009年度 科学研究費補助金:若手研究(スタートアップ)「科学と産業との結びつき方に関する技術分野間・企業間の比較研究(課題番号: 20830054)」(研究代表者)
2008~2009年度 財団法人新技術振興渡辺記念会科学技術調査研究助成「科学と産業の相互浸透によるイノベーションの新たなモデルの構築」(研究分担者)

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教育活動

年度 講義・演習 大学院・学部
2015年度 「テクノロジーマネジメント特殊研究」 神戸大学大学院経営学研究科
2014年度 「テクノロジーマネジメント特殊研究」 神戸大学大学院経営学研究科
2013年度 「テクノロジーマネジメント特殊研究」 神戸大学大学院経営学研究科
2010年度 「経営組織論」 阪南大学経営情報学部

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受賞歴

  • 組織学会高宮賞(論文部門)「イノベーションの資源動員と技術進化:カネカの太陽電池事 業の事例」2012年6月

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